ニュル7分台。アルファ ステルヴィオ クアドリフォリオのSUVとは思えぬ速さは買いか?
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:五味 康隆 /写真:小林 俊樹
走り出して即座に感じるのは、ただ者ではない乗り味と雰囲気。“大(高性能)は小(日常ユース)を兼ねる”的発想で購入すると、慣れてくる頃には疲れを感じてしまうシーンが多いかもしれない。週末乗る程度であれば気分転換的な刺激として受け入れられるだろうが、毎日足として乗るとなると乗り味が固いのだ。
足が固いというよりも、ボディが強靭で、それが前面に出てくる。「ジョルジオ」と名付けられた新世代プラットフォームは強靭な上に低重心かつ旋回時のロールも抑えられている。最初に採用したセダンの「ジュリア」の走りも見事で、そのクアドリフォリオ版もニュル最速セダンの座を争うモデルになっているほどだ。
そのSUV版となるステルヴィオ自体も当然のようにスポーティ。だから、たまにワインディング走る時の気持ちよさが欲しい! というレベルであれば、間違いなくノーマルのステルヴィオで満足できる。アルファ ロメオをあまり知らないユーザー向けに強調しておくと、ブランド自体がそもそもスポーティ。そんなブランドでも別格のクアドリフォリオとなれば、心して乗るのは当然なのだ。
電子制御サスペンションがノーマルモードだと足はそれなりに動くから、スポーティな乗り味が好きな方には許容範囲かもしれない。しかし、ボディは本当に硬く、1輪だけに入った突き上げが一瞬で車全体に響き渡るような感覚がある。乗り心地も求めるユーザーは良く考えたほうがいい。
停止状態から走り出すとクルマの味付けの方向性がすぐにわかる。トランスミッションの変速は、デュアルクラッチのようにダイレクトで歯切れが良く、8速のトルコンATだとは思えないはずだ。多くのメーカーがデュアルクラッチをトルコンATのように滑らかに制御しようとするが、逆にふだん使いからトルコンATをデュアルクラッチのように感じさせる味付けは、このブランドくらいだろう。
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